便潜血検査は大腸がんを見落とすことも
便潜血検査は大腸がんによる死亡率を下げることを目的とした検査です。陰性でも大腸がんがある場合がありますし、陽性でも大腸がんではないケースもあります。「便潜血検査は、進行した大腸がんを見つけることもある」ものだと理解することが重要です。
大腸がんは早期に発見して適切な治療を受ければ完治できますし、前がん病変のポリープ切除による予防も可能です。ただし、早期大腸がんや前がん病変のポリープの発見は内視鏡検査でしかできません。現在は便潜血検査が中心であり、定期的な内視鏡検査が一般的ではないため、がんによる死亡数では大腸がんが上位になってしまっていますが、内視鏡検査が普及したら死亡率は大幅に下がると考えられています。
進行した大腸がんは入院による外科手術や抗がん剤治療などが必要ですから、お身体だけでなく経済的な負担やお仕事への影響も大きくなってしまいます。一方、内視鏡検査によって早期に発見した場合には、その場で内視鏡による切除を行う日帰り手術が可能です。
便潜血検査陽性と陰性
便意血液が混じっていたら陽性で、混じっていなかったら陰性です。大腸がんが大きくなると、便が通過するときに擦れて出血が起こる場合がありますので、便潜血検査はこれを見ています。ただし、やわらかい便が通過する場所では大きながんがあっても擦れて出血することはありません。
また、便に血が混じることは大腸がん以外の原因によって起こっていることがとても多く、陽性になったら確定診断のために改めて内視鏡検査を受ける必要があります。
陽性でも大腸がんではない場合も多く、陰性でも大腸がんがある可能性があるのが便潜血検査なのです。
早期発見が可能な唯一の検査
内視鏡検査は、早期の大腸がんやポリープを発見するための唯一有効な検査です。お身体へ、そして経済的な負担を最小限にとどめながら、検査から治療、予防まで行えることが内視鏡検査のメリットです。
お仕事や日常生活にほとんど影響を与えないためにも、早期がんや前がん病変であるポリープを発見することはとても重要です。ポリープの切除は将来的な大腸がんを予防することにつながります。内視鏡検査では、大腸の粘膜をすみずみまで直接観察できますし、その場で病変を切除する日帰り手術が可能です。また切除した病変は回収して病理検査を行い、確定診断を下せます。
当院では消化器内視鏡専門医が最新機器を使って、精密な内視鏡検査を行っており、楽に受けていただけるようさまざまな配慮を行っています。苦しくない検査を受けられますので、安心していらしてください。
